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消費税を払えない!
起業家支援に命を燃やす会計士の梅川です。
「消費税払えないよ!」
ある社長から言われました。
今年で設立3期目に入り、1期目から課税売上が1000万円を超えているため、今年から消費税の免税から課税事業者となり来年からは消費税の支払いが発生します。
確かに消費税は、預かっている消費税を国に納付する税金で、企業は何ら税金を負担をするものではありません。
理屈はその通りです。
しかし現実には預かったはずの消費税分は売上金と一緒になり、会社の資金繰りに流用されます。
その結果、業績が赤字の会社、銀行などへの返済が重い会社にとっては、決算までに預かっていたはずの消費税分は使われてしまい、支払いができなくなることがあります。
その対策として、以前、通帳を別にして毎月強制的に積み立てましょう、という提案をしました。
もう一つ、解決策としては、消費税の対象とならない給与を消費税の対象となる外注費に変えてしまうというものです。
言うまでもありませんが、赤字の会社でも消費税の納税が発生するのは、原価を含む経費の約半分が人件費であり、給与も社会保険料も消費税分を控除することができないからです。
人件費をすべて外注費に変えてしまえば、赤字会社であれば消費税は還付になる可能性もあります。
この方法は、対面営業、労働集約型の業種、例えば、美容室、エステサロン、保険代理店、対面ではありませんが、建築、建設、ソフト開発などでは特に有効です。
給与を外注費に変えるためには、まず契約を雇用から委託契約に変えなければなりません。
もちろん従業員の同意が必要です。従業員は、給与所得者から個人事業者になるわけですから。
給与所得者と個人事業者のどちらが良いかは、一概には言えません。それぞれメリット、デメリットがあります。
一方、会社も従業員の管理形態、報酬の支払い形態も変えなければなりません。
業務委託契約書を結ぶのは、当然ですが、毎月の支払いも時給という訳にはいきません。残業代も当然ありません。あくまでも委託した業務に対する成果に対する対価の支払いです。
タイムカードも出勤簿もあり得ません。逆に請求書を作成してもらわなければなりません。
極端な会社では、従業員に全員会社を設立させ、会社対会社の取引にしてしまいました。
それにしても事業者にとってのメリットは大です。
使用者に対する支払額は同じでもその中から消費税分を控除することができます。
社会保険にも加入させる必要がありません。
業種によっては、源泉所得税も預かる必要がありません。
ただしその分、税務調査では必ず厳しいチェックを受けます。
契約は業務委託となっていても、勤務実態が雇用のままでは否認を受けてしまいます。
完璧な対策はあり得ませんが、ある程度しっかりした対策を行っておくことが絶対に必要です。
ちなみに「税金対策のため」、雇用から業務委託に変えたと言ったとたん否認です。
税法的には、税金を減らすための行為はすべて「脱税」とみなされます。
たまたま別の目的で行った行為が、税金の減少になってしまった、が日本での建前です。
ご注意を!
今日も読んで頂いてありがとうございました。
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